LGBT法連合会

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【声明】性的指向・性自認に関する新たな法制度の制定に向けた期待と憂慮について

2021.05.04

お知らせリリース

2021年5月4日

性的指向・性自認に関する新たな法制度の制定に向けた期待と憂慮について

 

一般社団法人 性的指向および性自認等により困難を抱えている
当事者等に対する法整備のための全国連連合会
(略称:LGBT法連合会)
代表理事・理事 一同
(団体URL:http://lgbtetc.jp/)

2021年4月中旬より、超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」において、性的指向・性自認に関する「理解増進法案」と「差別解消法案」の一本化に向けた与野党の協議が行われている。原則として全会一致が成立の条件となる議員立法の制定に向け、与野党で協議が開始され、今国会成立に向けた動きが活性化していることは評価できるものの、法案を巡ってはさまざまな懸念が当事者・支援者からあがっていることに憂慮せざるを得ない。

まず、原則として、LGBT法連合会は2015年5月に「性的指向および性自認等による差別の解消、ならびに差別を受けた者の支援のための法律に対する私たちの考え方〜困難を抱えるLGBTの子どもたちへの1日も早い差別解消を〜」(通称:LGBT差別禁止法試案)を取りまとめ、発表している。当会が法案を評価するにあたっては、この試案に一歩でも近い法案となることが、当事者の困難を解消する上で実効性があるものになると捉えており、重要な指標と考えている。
今回の与野党協議においても、我々のLGBT差別禁止法試案に少しでも近い形で法案がまとまることを切望する。

一方で、新たな法律によって全国の自治体などの施策が後退するのではないかとの懸念の声も聞かれる。確かに、成立した法律は、自治体における条例やさまざまな施策における、一つの基準になると考えられる。そのため、法律本文にどこまでの施策が規定されるかは、全国的な取り組みに波及することは言うまでもない。法律以外の方策によって法律の内容を補うとしても、一義的に参照され、効力を発揮するのは法律本文であり、その規定ぶりが重要であるということは指摘しなければならない。

また、法案作成に関連する動きの中で、一部において、トランスジェンダーに対するバッシングと解される言説が流布されていることに対し、強く憂慮する。法案によりトランスジェンダーバッシングが助長されるようなことが仮にあるとすれば、断じて看過できない。加えて、「ジェンダーアイデンティティ」の訳語についての科学的ではない言説も見られるが、どのような訳語を用いても、原語を踏まえた訳語である以上、意味が変わることはないと認識している。その上で、「性自認」が、医学、法学、社会学など幅広い分野で定着してきており、既存の条例や指針においても既に「性自認」が用いられていることから、用語を変えてしまうことで、広範な影響や混乱が懸念される。

5月の連休明け程なくして、与野党の協議の結論が出ると聞かれるところであり、今が極めて重要な局面である。当会をはじめとする日本の当事者コミュニティが法案の趨勢を強く注視しているのに加えて、当会が共催している「Equality Act Japan-日本にもLGBT平等法を」キャンペーンには、世界の当事者コミュニティ、アスリートからも応援の声が届いている。これまでに積み上げられた科学的な調査、知見を前提に、当事者の抱える生活上の困難の解消を目的とした、実効性ある法律を求めることを改めて表明し、当会は全力で取り組みを進めていく。

以上

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