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【声明】モデル就業規則改正によるいわゆる「SOGIハラ」禁止の新設について

2018.04.18

お知らせ

2018年4月18日

モデル就業規則改正によるいわゆる「SOGIハラ」禁止の新設について

性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する
法整備のための全国連連合会(略称:LGBT法連合会) 共同代表一同
(団体URL:https://lgbtetc.jp/)

厚生労働省は、2018年1月にモデル就業規則を改正し、「その他あらゆるハラスメントの禁止」の規定を新設し、禁止されるハラスメントとして「性的指向・性自認に関する言動」を明記した。LGBT法連合会は、2017月8月に団体のWebサイトに掲載の通り、超党派の議員連盟と各政党に対し、性的指向・性自認に関するハラスメントの禁止をモデル就業規則へ盛り込むことを要望しており、今回の対応は私たちの要望を受け止めたものと捉え、積極的に評価する。

労働基準法第89条により、「常時十人以上の労働者を使用する使用者は(中略)就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない」と(義務)規定がなされているが、モデル就業規則はこの就業規則の規定例を厚生労働省が解説とともに示したものである。今回はこの第3章服務規律の第15条に「その他あらゆるハラスメントの禁止」が新設され、禁止事項とされ「性的指向・性自認に関する言動によるものなど職場のあらゆるハラスメントにより、他の労働者の就業環境を害するようなことはしてはならない」と示された。また、解説では、性的指向や性自認の解説の他、「差別的言動や嫌がらせ(ハラスメント)が起こらないようにすることが重要」と明記された。

モデル就業規則は、厚生労働省の示す一つの基準として捉えることができるものであり、いわゆる大企業などだけでなく、中小企業などにも広く参考とされるものと認識している。そのため、今回の改正に盛り込まれたいわゆる「SOGIハラ」禁止は、全国に広く浸透するものと期待している。また、実際にこのモデル就業規則に基づいて、各職場でSOGIハラ禁止が規定された場合には、SOGIハラが就業規則違反として、懲戒などの対象となり得ることから、職場環境の改善などの実質的な効果が期待できると考えている。一方で、SOGIハラ禁止を就業規則に規定するかは、あくまで使用者の裁量に委ねられており、必ずしも全ての職場における「SOGIハラ」の根絶につながるとは言えない。そのため、SOGIハラをはじめとする性的指向・性自認の課題に対応する「差別禁止法」などの法整備の必要性は依然として極めて重要であると強調したい。

LGBT法連合会は、性的指向・性自認に関わらず人権が尊重され、安心・安全に生きていくことのできる社会の形成のため、引き続き関係機関・関係団体との連携を深め、1日も早い、差別をなくすための法整備に向けて、取り組みを進めていく。

以上

また、厚生労働省から出されているモデル就業規則は下記あるいは添付資料よりご覧いただけます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html

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