2026年1月20日
【声明】労働施策総合推進法等に基づく
いわゆる「ハラスメント防止指針」の諮問答申について
一般社団法人 性的指向および性自認等により困難を抱えている
当事者等に対する法整備のための全国連合会
(略称:LGBT法連合会)
代表理事・理事一同
2026年1月20日、厚生労働省の労働政策審議会は、諮問された労働施策総合推進法に基づく各「ハラスメント防止指針」について答申を行った。指針の内容も含めた改正法は2026年10月施行予定である。「ハラスメント防止指針」には、国会の附帯決議を踏まえ、性的指向・性自認(SOGI)に関するハラスメント対策の強化を事業主に義務付ける内容が含まれており、課題に一定の対応がなされたものとして、当会はこれを評価する。改正に向けて尽力された関係各位に敬意を表したい。
改正法および指針における、SOGIに関わる新たな内容は、(1)労働者が自身の性的指向・ジェンダーアイデンティティについて他者に開示するいわゆる「カミングアウト」を強要する又は禁止する行為が、パワーハラスメントに該当し得る旨を明示¹、(2)SOGIに関わるハラスメント行為(いわゆる「アウティング」や「カミングアウト」の強要・禁止を含む)がカスタマーハラスメントに該当し得る旨を明示²、(3)求職活動等におけるハラスメント行為に対して行うことが望ましい取組の内容にSOGIに関わるハラスメントが含まれることを明示した³。この中でも特に(1)と(2)については、すべての事業主(企業・団体等)に対し、防止措置義務が新たに課されることとなった。
従来から、すべての事業主(企業・団体等)には、職場の労働者間におけるSOGIに関するハラスメントに対する防止措置義務が課されていたが、今回、顧客・取引先等、職場の外部との関係においてもハラスメント対策が求められることとなった。これにより、社会における差別的言動の低減に一層効果をもたらすものと期待される。また、カスタマーハラスメント対策においても、「性的指向・ジェンダーアイデンティティ等の機微な個人情報」が、保護すべきプライバシーに位置付けられていることから、機微な個人情報保護に向けた社会意識の向上が期待される。今後は、各現場の実務に照らし合わせ、すでに扱っている業務のどの過程でどのような機微な個人情報を取り扱っているのかを丁寧に洗い出し、適切な管理体制を構築していくことが求められる。
今回の法改正は、当会のめざす性的指向・性自認による差別のない社会に向けた大きな前進であると受け止める。当会自身も、今回の法改正を広く社会に行き渡らせるべく、周知徹底に取り組む。一方で、法的にハラスメントには該当しない、差別的な採用拒否や不合理な異動・退職勧奨など、差別的取扱いへの対応は依然として十分な法的対応がなされていない。そのため、当会は引き続き、こうした差別的取扱いに対応することのできる「SOGI差別禁止法」制定の必要性を提起し続けていく。
¹ 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係告示の整備等に関する告示案要綱
² 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針案要綱
³ 事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針案要綱
以上
※審議会の資料は下記参照のこと
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68908.html














