2016年7月4日
性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会(略称:LGBT法連合会)
共同代表一同
6月30日付で、性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会(略称:LGBT法連合会)は、6月27日付で共同通信社から配信された「LGBT差別はセクハラ」という記事に対して、別紙の通り、訂正記事および、記事配信の経緯説明を求める要望書を送付しました。
当連合会は「LGBT差別はセクハラ」に該当することを明文化するよう厚生労働省に求めていますが、それが実現していないにもかかわらず、こうした報道がなされることは、多くの誤解や混乱が職場や労働相談・司法等の場で生じる恐れが大きく、見過ごすことはできません。
性的指向や性自認、いわゆる「LGBT」に関する報道の意義は大きいだけに、報道各位におかれては、このような誤解を生じさせることのないよう、正確な事実に基づいた報道を改めてお願いいたします。
また、関係各位におかれても、当該記事による誤解を広めないようお願いするとともに、正確な事実確認に基づく対応をお願い致します。
以上
問い合わせ先:
〒113-0033 東京都文京区本郷1-35-28-302 オフィスパープル
共生ネット事務所内 LGBT法連合会 担当:綱島
TEL:050-3736-7397 E-Mail:info@lgbtetc.jp HP:https://lgbtetc.jp
(添付)
共同通信 2016年6月27日配信記事
(要望書)
2016年6月30日
共同通信 生活報道部長 殿
要望書
LGBT法連合会共同代表一同
謹啓 時下益ご清栄のこととお喜び申し上げます。
LGBT法連合会は、いわゆる「LGBT」当事者を支援する団体・企業など60の団体で構成し、「LGBT」、性的指向や性自認に関する法制度の整備に向けた取り組みを進める連合体です。
6月27日付で貴通信社が配信された「LGBT差別はセクハラ」という記事に関して、重大な誤認があり、そのことがいわゆる「LGBT当事者」を含む多くの人びとに広められ、不利益を被るとの懸念があり、本状を差し上げる次第です。
記事にある「職場での性的少数者(LGBT)への差別的な言動がセクハラに当たる」については、当連合会がパブリックコメント、もしくは厚生労働省への直接交渉を通じて、その実現に向けて働きかけましたが、厚生労働省からそのような改正案は実現し得ないことを確認しています。
また、第173回労働政策審議会雇用均等分科会において答申された「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針の一部を改正する告示案要綱(案)」においても、「性的言動」に性的指向・性自認に関するいじめ・嫌がらせ(差別的言動)が含まれるとの改正案が示されたり、答申がなされているわけではなく、審議においてもそのようなやり取りはなかったものと認識しています。
今回の改正によって、職場においていわゆる「LGBT」に対する差別的言動が「セクハラ」として扱われないにもかかわらず、記事を読んだ「LGBT」当事者等が、実際には法的裏付けがないまま、言動への対応を企業等に求め、かえって大きな不利益を被る懸念があります。
既に当該記事は、ロイター、毎日新聞、地方紙などをはじめ多くの媒体に掲載されており、多くの「LGBT当事者」あるいは企業関係者などをはじめとする広範な人びとに広まっており、各所で上述のような深刻な事態をもたらしかねません。
そこで当連合会としては下記の事項について申し入れます。
謹言
記
1.6月27日付で貴通信社が配信された「LGBT差別はセクハラ」という記事についての、訂正記事をすみやかに配信すること
2.6月27日付で貴通信社が配信された「LGBT差別はセクハラ」という記事が配信された経緯について明らかにし、当連合会に対してすみやかに説明を行うこと
以上
(参考)
○今回の厚生労働省の改正によってもセクハラ防止指針の対象とならない可能性があると私たちが考える言動(例)
(なお、こうした言動であっても、背景に性的な(卑猥な、嫌らしい)文脈があれば、これまで通りセクハラ防止指針の対象になることはLGBT法連合会として厚生労働省に確認している。)
・「レズは気持ち悪い、異常だ」などと発言する
・「レズがうつりそうだ」などと言って避ける
・「レズは不幸になるべきだ」と言っていじめる
・「ホモは頭がおかしい」などと発言する
・「ホモは人間としてどこか足りない」などと発言する
・「ホモは殴られて当然」と言って叩こうとする
・「おまえはオカマか?」などと発言する
・「オトコオンナ」と言って嘲笑する
・「同性愛は生き物として変だ」と言って病院の受診を勧める
・「トランスって頭のネジが緩んでいる人が多いよね」と言う
・「〇〇さんは女の子になったほうがいいんじゃない?」と言う