LGBT法連合会

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【声明】いわゆる「事実婚」に適用される法令の同性パートナーへの適用に関する現時点での政府検討の結果について

2025.01.22

リリース

2025年1月22日

いわゆる「事実婚」に適用される法令の同性パートナー

への適用に関する現時点での政府検討の結果について

 

一般社団法人 性的指向および性自認等により困難を抱えている
当事者等に対する法整備のための全国連合会
(略称:LGBT法連合会)
代表理事・理事一同

 

 昨年、2024年3月26日の犯罪被害者給付金に関する最高裁判決は、当該給付金に係る法律の「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」(いわゆる「事実婚」)という規定に、犯罪被害者と同性の者も含まれ得ると判断した。
 この判決を受け、また当会の働きかけや「LGBTに関する課題を考える議員連盟」の政府要請を背景として、同種の規定を含む法令を所管する各省庁において、個々の法令が同性パートナーに適用されるかどうかの検討が行われ、2025年1月21日、共生社会担当大臣が検討結果を公表した。
 それによると、24の法令について「事実婚」に同性パートナーも含まれ得るとされた一方、約130の法令については「さらなる検討が必要」とされている。
 この結果を受け、内閣官房から各府省に対し、検討の迅速化が指示されるとともに、「最高裁判決を重く受け止め、その内容を改めてよく吟味するとともに、同性パートナーも含まれうるとされた法令も参考にしながら、検討を加速化すること」「国会審議で偏見等に基づく解釈はしてはならないなどの指摘があった点に十分留意すること」等の方針が示されたとのことである。

 同性パートナーが「事実婚」に含まれ得ると判断された24の法令について、その該当する規定の内容や、同性パートナーを規定の対象とすることで生じる具体的な効果は、現時点では必ずしも明らかではない。その前提の上で当会は、政府が検討を進め、24の法令において同性パートナーが「事実婚」に含まれ得るとの結論を得たことや、他の法令についての検討を迅速化するための新たな方針を示したことを、差別撤廃への一歩前進と捉え、評価する。
 一方で、更なる検討が必要とされた法令が依然として圧倒的多数を占めている現状は非常に残念である。各府省庁が内閣官房の示した方針に基づき迅速に検討を行うことを期待し、注視していく。
 また、検討の結果、同性パートナーを対象としないとの判断が下される場合には、その根拠を明らかにするよう求める所存である。

以上

(※)令和4年(行ツ)第318号、同年(行ヒ)第360号 犯罪被害者給付金不支給裁定取消請求事件 令和6年3月26日 第三小法廷判決
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/849/092849_hanrei.pdf

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