LGBT法連合会

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【お知らせ】いわゆるパワーハラスメント対策法制の指針の策定における、 附帯決議に比して不十分な点について

2019.10.27

お知らせリリース

 

このたび、性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会(以下、「LGBT法連合会」)は、2019年5月に成立した、労働施策総合推進法に関連し、厚生労働省の労働政策審議会雇用環境・均等分科会において2019年10月21日に公表された「職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針素案」(以下「指針素案」という)に対して下記の通りポイントと、当会の受け止めをまとめましたので、ここにお知らせいたします。

2019年10月21日

いわゆるパワーハラスメント対策法制の指針の策定における、
附帯決議に比して不十分な点について(SOGIハラ関係)

性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する
法整備のための全国連連合会
(略称:LGBT法連合会)

<附帯決議の内容(*参議院、性的指向・性自認関係抜粋)>
九、パワーハラスメント防止対策に係る指針の策定に当たり、包括的に行為類型を明記する等、職場におけるあらゆるハラスメントに対応できるよう検討するとともに、次の事項を明記すること。
3 職場におけるあらゆる差別をなくすため、性的指向・性自認に関するハラスメント及び性的指向・性自認の望まぬ暴露であるいわゆるアウティングも雇用管理上の措置の対象になり得ること、そのためアウティングを念頭においたプライバシー保護を講ずること。

<指針素案と該当する附帯決議の箇所>

【性的指向・性自認(SOGI)ハラスメント】

1.指針素案の該当箇所:

2 職場におけるパワーハラスメントの内容
<脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)>
(該当すると考えられる例)
・人格を否定するような発言をすること。(例えば、相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な発言をすることを含む)

2.対応する附帯決議の箇所:
性的指向・性自認に関するハラスメント(中略)雇用管理上の措置の対象になり得ること

3.不足する点:
パワーハラスメント全体にかかる記載になっておらず、措置との関係も不明瞭であり、国会答弁のあった「仕事からの排除」<人間関係からの切り離し>の他、<身体的な攻撃><過大な要求><過小な要求><個の侵害>は例示されておらず、対象になるかが定かでない。また、「相手の」と入ると、飲み会で交わされる「ホモネタ」「レズネタ」などを耳にして苦しむ当事者が対象外となってしまう。

【性的指向・性自認の望まぬ暴露(アウティング)】

1.指針素案の該当箇所:

2 職場におけるパワーハラスメントの内容
<私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)>
(該当すると考えられる例)
・労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露すること。
(該当しないと考えられる例)
・労働者の了解を得て、当該労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、必要な範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促すこと

2.対応する附帯決議の箇所:
性的指向・性自認の望まぬ暴露であるいわゆるアウティングも雇用管理上の措置の対象になり得ること

3.不足する点:
パワーハラスメント全体にかかる記載になっておらず、措置との関係も不明瞭である。

【性的指向・性自認の望まぬ暴露(アウティング)を念頭においたプライバシー保護】

1.指針素案の該当箇所:

2 職場におけるパワーハラスメントの内容
<私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)>
なお、個の侵害に該当すると考えられる例の2つ目のような事例が生じることのないよう、こうした機微な個人情報に関してはその取扱いに十分留意をするよう労働者に周知・啓発することが重要である。

2.対応する附帯決議の箇所:
そのためアウティングを念頭においたプライバシー保護を講ずること。

3.不足する点:
例示の中の「なお書き」であり、措置義務として挙げられているプライバシー保護との関係が不明瞭であるとともに、附帯決議は「講ずること」と義務規定となっているが、指針素案は「重要である」と義務ではない記載となっている。

これらを踏まえ、以下のように指針素案を修正することが必要である

①1ページの、一つ目の○の1段落目の下に「性的指向・性自認に関するハラスメント及び性的指向・性自認の望まぬ暴露であるいわゆるアウティングも含む」と記載するとともに、例示や措置の内容にも性的指向や性自認に関する例や措置を書き入れる(特にプライバシー保護の措置)。
②2ページの、一つ目の○の「優越的な関係を背景とした言動」の例示に「性的指向・性自認などの属性に関する否定的言動」と明記する。
③2ページの、二つ目の○の2段落目3行目最後の「労働者の属性や状況」を「属性、労働者の状況」とする。
④4ページ「<脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)」の「(例えば、相手の性的指向・性自認に関する〜)の「相手の」を削除する。
⑤6ページの「なお」から始まる一文の末尾を「労働者に周知・啓発することが重要である」ではなく「労働者に周知・啓発を講ずること」とする。

以上

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