LGBT法連合会

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【声明】全国初のSOGI施策単独の基本計画となる 「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画」(素案)について

2019.09.10

お知らせリリース

2019年9月10日

全国初のSOGI施策単独の基本計画となる
「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画」(素案)について

性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する
法整備のための全国連合会(略称:LGBT法連合会)
共同代表一同
(団体 URL:http://lgbtetc.jp/)

2019年8月27日、東京都は「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画」(素案)(以下「計画素案」という)に対するパブリックコメントの募集を開始した。この基本計画は、昨年LGBT法連合会が働きかけ、都道府県において全国初の性的指向・性自認(SOGI)差別禁止条例となった「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」「(以下「人権条例」という)第5条の規定に基づくものであり、全国の自治体において初のSOGI単独の基本計画であると受け止めている。SOGI施策のみで構成される基本計画が議論の俎上にのぼったことを一定評価できるものの、内容については不十分な点も多く、この計画素案が、初のSOGI単独の基本計画として全国へ波及することを考えれば、改善が必要であると言わざるを得ない。

計画素案は、「国内外の動向と現状」「課題認識と基本的な考え方」「東京都の施策」などで構成されており、「東京都の施策」については「相談・支援体制の充実」「啓発・教育の推進」「職員理解の推進」「庁内外の取組の推進」に分かれており、このうち「啓発・教育の推進」は「都民を対象とした取組」「事業者等を対象とした取組」「学校現場や社会教育における取組」と対象別に分けて施策が記載されている。計画期間は2020年1月からの2023年3月までの概ね3年間としており、国内外の動向や社会情勢の変化等により、必要に応じて内容の見直しを行うとしている。全体として、啓発や相談体制の整備について力点が置かれているものの、現時点の具体的な困難や課題を解決する姿勢には欠け、新たな施策を打ち出した計画とは言い難い。

条例の具体策と位置付けられる計画素案だが、全国の賛同団体をはじめとする、当事者団体・支援団体などのパブリックコメントによって創設された、人権条例第4条の差別禁止条項について、計画では触れられていない。4条違反が行われた際に、当事者等がどこに申し出れば良いのか、そして行政としてどのように救済、回復を行うかなど、条例制定の際に課題となっていた点について補足されているとは言えない。
また、計画素案策定の過程や、今後の施策を実施する際などに、どのように当事者の声が反映されてきたのか、もしくは反映されていくのかは明らかにされていない。条例制定の際にも私たちが課題と指摘してきた、当事者参画については今回も盛り込まれておらず、遺憾であると言わざるを得ない。

今回の計画素案は、政策分野の一つとしてSOGIが確立されつつあることを表すものであり、全国の当事者運動の大きな成果として、一つの形ができつつあることの喜びを分かち合いたい。一方で、現実にある困難や課題に対して、積極的に行政が施策を打つといったあるべき姿から考えれば、まだ取り組みが道半ばであると言わざるを得ない。

私たちは以上の認識に立ち、全国に「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画」(素案)へのパブリックコメントを呼びかけていくものとする。今回の計画素案に対しての認識は、全国への差別禁止条例と併せ、その制定を前提に、条例にもとづく計画のあり方として、全国の自治体に通底するものであると受け止めている。国の法整備に向けた活動に連動するものとして、全国の自治体への条例制定や計画策定に関する働きかけを、私たちは全国の賛同団体等を通じ、全国の当事者等との協働を図っていきたい。

以上

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