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【声明】衆議院議員平沢勝栄氏の「LGBTばかりになったら国は潰れる」 との発言に対する声明

2019.01.08

リリース

2019年1月8日

衆議院議員平沢勝栄氏の「LGBTばかりになったら国は潰れる」との発言に対する声明

性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連連合会
(略称:LGBT法連合会)
共同代表一同
(団体URL:https://lgbtetc.jp/)

2019年1月3日に衆議院議員の平沢勝栄氏(以下、平沢氏という)が山梨県韮崎市で開かれた集会にて、「LGBTで同性婚で男と男、女と女の結婚。これは批判したら変なことになるからいいんですよ。もちろんいいんですよ。でもこの人たちばっかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」と述べた。平沢氏が上記のように述べた文脈などは明らかではなく、必ずしも意味は判然としないが、報道された内容を前提にすれば、平沢氏の発言は、性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者に対する、存在の否定ともいえる発言であり、このような主張は到底許容できない。当会は、平沢氏の発言に対して遺憾の意を表明するとともに、同氏に撤回及び謝罪を求めたい。

日本テレビ系列の報道によれば、平沢氏は山梨県の韮崎市で開かれた集会にて以下のように述べた。
「LGBTで同性婚で男と男、女と女の結婚。これは批判したら変なことになるからいいんですよ。もちろんいいんですよ。でもこの人たちばっかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」。そのうえで、「(東京の渋谷区や世田谷区が同性婚について証明書を出していることに触れ)先進区だとか自慢しているが、私にはその考え方はよくわからない」と述べた。
平沢氏の上記発言は、「LGBTで同性婚で男と男、女と女の結婚(以下、本件発言①という)」「これは批判したら変なことになるからいいんですよ。もちろんいいんですよ。(本件発言②という)」、そして、「でもこの人たちばっかりになったら国はつぶれる(以下、本件発言③という)」と3つのまとまりで構成されている。

本件発言②の意味は必ずしも判然とせず、平沢氏は同性婚を肯定するかのような発言を行う一方で、本件発言③にてLGBTが増えると国の存在が危ぶまれる旨を述べている。多様性を社会の中に歓迎し、差別や偏見により困難を抱えている人を社会的に尊重するような発言を前置しながら、「この人たちばっかりになったら」などと、およそ現実には起こりえない事態をことさら誇張したうえで、多様な性を生きることを否定することは、差別的であり、政治家としての資質が大きく問われるものである。この発言を受けた当事者が悲痛の思いを抱くだけでなく、「存在してはいけない人」ではないかとの想いを、当事者のみならず周囲にも抱かせるものであり、到底許容できない。
また、性的指向・性自認に関する法制を成立させた国々は多いが、こうした法制により、性的指向・性自認が典型的とされるものから非典型なものに変わるといった現象が顕著に増加したとの知見は、寡聞にして見られない。国会議員として、社会的課題について意見を述べる際は、該当する政策への国際的な評価等を最低限踏まえてから、発言すべきである。

時事通信社の平成31年1月6日の報道によれば、平沢氏は本件発言をしたことを認めつつも、「差別する意図はなかった」と説明している。しかし、平沢氏の発言は、多様性を認め、少数者を尊重しようとする態度が見受けられず、性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等を傷つけるものである。自由民主党が、平成28年5月27日にとりまとめた「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方 」には「当事者の方が抱える困難の解消をまず目指すべきであること」と言及されており、平沢氏の主張は、自由民主党の方針にも反することになる。
平沢氏は自由民主党のなかでも当選期数が多く、自由民主党の総務会長代理を務めている。当会は、その平沢氏が本件発言をしたことに対して遺憾の意を覚えるものであり、平沢氏に対して撤回及び謝罪を求めたい。さらには、立法府に対して一刻も早く差別を無くすための法整備を求めるものである。

以上

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1 自由民主党政務調査会性的指向・性自認に関する特命委員会「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」

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