LGBT法連合会

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【声明】「民法の一部を改正する法律案」の成立について ―「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の 抜本的改正がなされなかったことに関して―

2018.06.29

お知らせ

2018年6月29日

「民法の一部を改正する法律案」の成立について
―「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の抜本的改正がなされなかったことに関して―

 

性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する 法整備のための全国連連合会 (略称:LGBT法連合会)
共同代表一同 (団体URL:http://lgbtetc.jp/)

2018年3月13日に「民法の一部を改正する法律案」が国会に上程され、2018年5月29日に衆議院において可決、同年6月13日に参議院において可決し、同日成立した。同法案は「成年」を二十歳から十八歳に改めることを内容とするとともに、附則15条4号にて、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(以下、「特例法」という)第三条第一項第一号の「二十歳」を「十八歳」に改めることを内容とするものである。当連合会は、「民法の一部を改正する法律案」とともに改正された特例法に関して、既に前回の改正から約十年が経過する中で、年齢要件以外の各要件に関する議論がないまま、実質的な検討・改正の議論や見直し規定が盛り込まれなかったことについて、遺憾の意を表明する。

「民法の一部を改正する法律案(以下、「本法案」という)」は、民法第四条に関して、成年を二十歳から一八歳に変更しようとするものである。日本には成年を「二十歳」とする法律が多数あるところ、本法案が成立するに伴い、本法案で決まった内容と平仄を合わせるため、成年を「二十歳」と規定する各法律の文言を変更する必要性が生じた。特例法もその一つであり、特例法第三条第一項第一号には家庭裁判所において性別の取扱いの変更の審判をするには「二十歳以上であること」の要件が規定されているため、同要件の改正が求められた。そのため、本法案の成立に伴い、本法案の附則15条4号において、特例法の第三条第一項第一号「二十歳以上であること」を「十八歳以上であること」に変更することとしたものである。そして、「成年」が十八歳に変更されることに伴い、特例法第三条第一項第三号「現に未成年の子がいないこと」の解釈も、現に十八歳未満の子がいないことを意味することになる。

他方で、特例法第三条の各要件に対しては多くの課題が指摘されている。特例法第三条第二項四号・五号には「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること」と規定されているところ、これらの要件については、2014年5月30日に世界保健機構(WHO)などによって発表された「強制・強要された、または非自発的な断種の廃絶を求める共同声明」において、本人の同意に基づかない医療処置(不妊手術,断種等)が健康・情報・プライバシーに関する権利、生殖に関する権利等、人権を侵害するものであるとして、強く非難されている。また、2017年9月に日本学術会議が発表した「性的マイノリティの権利保障をめざして―婚姻・教育・労働を中心に―」においても、政府や立法府に対して、特例法の名称変更と第三条の要件緩和が提言されている。

このように特例法第三条は、年齢要件以外の要件にも多くの問題が指摘されることに加え、当連合会の賛同団体に対するアンケート調査においても改正を望む団体が大多数を占めたため、「民法の一部を改正する法律案」に関連して特例法が改正するに伴い、2018年6月に各党に対して抜本的な改正に向けた議論と法の見直しを要請してきた。しかるに、特例法第三条第一項第一号「二十歳以上であること」の年齢要件以外は何ら議論されず、法の見直しに関しても言及がないまま、法改正に至ったことについては極めて残念である。

性的指向・性自認に関して困難を抱える当事者は、さまざまな制度上の障壁により困難を抱えている。当連合会は、超党派によって、特例法の各要件に関して抜本的な改正に向けた議論が行われることを今後とも強く要望していく。

以上


 

LGBT法連合会は、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律を含む民法の一部を改正する法律案の審議に向けて、LGBTに関する課題を考える議員連盟会長の馳浩衆議院議員、参議院法務委員会の与野党理事に対して、それぞれ下記の要望および賛同団体へのアンケート結果を提出いたしましたが、関係する附帯決議は盛り込まれませんでした。

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の改正についての要望書

特例法賛同団体アンケート結果

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